歯周病で認知症が発症・悪化

65歳以上の5人に1人が認知症になる時代。

認知症のなかでも、7割を占めるアルツハイマー型認知症。

最近、九州大の研究チームから歯周病菌とアルツハイマー型認知症の関係についての新たな発見が発表されました。

歯周病とは

『歯周病』とは、細菌感染によって引き起こされる病気で、お口の中にたまっている歯周病菌が繁殖し、歯や歯茎、骨にダメージをあたえます。

歯周病は、日本人の半数、30歳以上の80%がかかっていると言われ、その7割~8割が治療せずに放置されていると推測されています。

初期の段階では、痛みもないため自覚症状がほとんどなく、病気に気付かない事がほとんどですが、何もせず放置していると、歯を支えている骨が溶け、歯が抜けてしまう恐ろしい病気です。

歯周病で認知症が発症・悪化するしくみ

歯周病の原因菌が血管の中を通って体の中に侵入することで、体内でアミロイドβという物質を生成します。

このアミロイドβが脳に少しずつ長年に渡って蓄積されていることは、解明されていたのですが、その仕組みについては詳しく分かってはいませんでした。

 

今回の研究では、マウスを歯周病菌に感染させ、正常なマウスとの比較を行いました。

歯周病菌に感染したマウスの脳血管の表面では、アミロイドβを脳内に運ぶ「受容体」と呼ばれるたんぱく質の数が約2倍に増え、脳細胞へのアミロイドβの蓄積量も10倍に増えたことがわかりました。

そして、アミロイドβを運ぶ受容体の働きを阻害する薬剤を使えば、感染した細胞内を通るAβの量を4割減らせることも確認できたとのことです。

九大准教授は、「歯周病菌が、異常なたんぱく質が脳に蓄積することを加速させてしまうことが明らかになった。歯周病の治療や予防で、認知症の発症や進行を遅らせることができる可能性がある」と話しています。


 

認知症以外にも心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、糖尿病、早産、誤嚥性肺炎、など様々な疾患と、歯周病菌は関連があることが、近年明らかになっていっています。

これらの疾患を予防するためにも、定期的に歯医者さんに行って、専門的なクリーニングとメインテナンスを行うことをお勧め致します。

 

 

 

 

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